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ヘパリン類似物質ローションの自主回収は対象?ロット番号一覧と発がん性

-2科学

「うちにある保湿剤、回収って本当?」

病院でもらう保湿剤のヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」が、2026年10月13日から自主回収になりました(日東メディックのお知らせ)。

チューブの塗り薬のイラスト

理由は、発がん性が心配される「ニトロソアミン」という物質が、目安より多く見つかったからです。

子どもの乾燥肌に毎日ぬっている、という家も多いですよね。

Xにも「子どもに使うものやから気にしちゃう」という声がありました(umeboshirosaさんのXの投稿)。

答えから言うと、回収されるのは全部ではありません。

ロット番号で、自分の分が対象かどうかがわかります。

回収する222のロット番号は、最初の見出しに全部のせました。

この記事では、対象の見分け方と、もう使ってしまったときの考え方を、メーカーと国の資料からまとめました。

この記事のポイントは以下の4点です。

  • 回収はヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」の50gと100gの、222のロットだけ
  • 対象は2024年6月14日から2025年9月3日に出荷された分で、使用期限は2026年10月から2028年1月
  • メーカーは、国と決めた暫定の線で管理しても、生涯の発がんリスクを大きく高める可能性は「極めて低い」と判断
  • 対象のロットだったら、薬局か処方した病院、メーカーの相談窓口に相談する

 

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ヘパリン類似物質ローション「NIT」の自主回収、対象ロットの見分け方と回収の中身

  • ヘパリン類似物質ローションの対象ロットの見分け方は?ロット番号の一覧
  • ヘパリン類似物質ローションの自主回収とは?何が起きたのか
  • ヘパリン類似物質の回収は「NIT」のローションだけ、日医工やヒルドイドは?
  • ヘパリン類似物質ローションの自主回収、クラス2とは?

ヘパリン類似物質ローションの対象ロットの見分け方は?ロット番号の一覧

手元のチューブが対象かは、次の3つを順に見るとわかります。

1つ目は、名前がヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」かどうかです。

2つ目は、量が50gか100gかです。

3つ目は、チューブや箱に印字されたロット番号と使用期限です。

虫眼鏡でのぞきこむお婆さんのイラスト

ロット番号は、M010、N250、NA00、P160のような4文字です。

回収の対象は、50gが172、100gが50で、全部で222のロットです(日東メディック)。

 

まずは、ざっくり当てはまるかを見てみましょう。

見るところ 今回の対象
名前 ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」
量 50g、100g
ロット番号 Mで始まる6つ、Nで始まる177、Pで始まる39
使用期限 2026年10月から2028年1月

表はお知らせの一覧を数えたものです。

使用期限が2028年2月以降なら、今回の一覧には入っていません。

ただし、50gと100gで同じロット番号があるので、量も合わせて見てください。

お知らせの別紙にある、回収するロットの一覧の一部(50g)
2026年10月13日の投稿(出典:gude_gudelifeさんのXの投稿)

 

下の表は、メーカーのお知らせの3ページ目からの一覧を、使用期限ごとにまとめ直したものです(日東メディック)。

量の表にロット番号があり、使用期限も合っていれば、回収の対象です。

スマホなら、ブラウザの「ページ内を検索」にロット番号を打つと早く見つかります。

50g(172ロット)

使用期限 ロット番号
2026年10月 M010、M020、M030
2027年2月 N010、N020、N030、N040、N050、N060、N070
2027年3月 N080、N090、N100、N110、N120、N130、N140、N150、N160、N170、N180、N190、N200、N210、N220、N230、N240、N250、N260、N270、N280、N290、N300、N310、N320
2027年4月 N330、N340、N350、N360、N370、N380、N390、N400、N410、N420、N430、N440、N450、N460、N470
2027年5月 N480、N490、N500、N510、N520、N530
2027年6月 N540、N550、N560、N570、N580、N590、N600、N610、N620
2027年7月 N630、N640、N650、N660、N670、N680、N690、N700、N710、N720、N730、N740、N750、N760、N770
2027年8月 N780、N790、N800、N810、N820、N830、N840、N850、N860、N870、N880、N890、N900、N910、N920、N930、N940、N950、N960、N970、N980、N990、NA00、NA10、NA20、NA30、NA40、NA50、NA60、NA70、NA80、NA90、NB00、NB10、NB20、NB30、NB40、NB50、NB60、NB80、NB90、NC00、NC10、NC20、N011、NC30、NC40、NC50、NC60、NC70、NC80、NC90、NE00、NE10、NE20、NE30、NE40、NE50、NE60
2027年12月 P010、P020、P030、P040、P050、P060、P070、P080、P090、P100、P110、P120、P130、P140、P150
2028年1月 P160、P170、P180、P190、P200、P210、P220、P230、P240、P250、P260、P270、P280、P290、P300、P310、P320、P330

100g(50ロット)

使用期限 ロット番号
2026年10月 M010、M020、M030
2027年1月 N010、N020、N030、N040、N050、N060、N070、N080
2027年2月 N090、N100、N110、N120、N130、N140、N150、N160、N170、N180、N190、N200、N210、N220
2027年5月 N230、N240、N250、N260、N270、N280、N290、N300、N310
2027年8月 N320、N330、N340
2027年9月 N350、N360、N370、N380、N390、N400、N410
2027年12月 P010、P020、P030、P040、P050、P060

 

チューブの印字がかすれて読めないときは、薬をもらった薬局に聞いてみましょう。

 

ヘパリン類似物質ローションの自主回収とは?何が起きたのか

薬局の奥で、保湿剤のチューブを箱にまとめる手元

自主回収をしているのは、富山県の製薬会社の日東メディックです(日東メディック)。

会社が自分で調べたところ、「N-ニトロソジイソプロパノールアミン」というニトロソアミンの一種が見つかったそうです。

 

きっかけは、国からの指示です。

厚生労働省は2021年10月に、薬にニトロソアミンがまざっていないか自分で点検するよう、製薬会社に求めていました(日東メディック)。

その点検で測ってみると、1日に取ってよい量の目安(400ng)を上回る量が見つかったんです。

ngはナノグラムで、1グラムの10億分の1です。

Xでは、薬剤師さんの「外用薬でニトロソアミン理由の回収って珍しい気がする」という投稿もありました(gude_gudelifeさんのXの投稿)。

 

まざった原因は、薬の中の材料どうしの反応だと、メーカーは今のところ考えています(日東メディック)。

ローションに入っている「ジイソプロパノールアミン」という添加剤が、原料などにふくまれる亜硝酸塩と反応した、という見方です。

今回の自主回収の対象の製品、ヘパリン類似物質ローション0.3%「NIT」の100gと50g
2026年10月14日の投稿(出典:nao600416059813さんのXの投稿)

 

ピンクの帯に「Heparinoid」と書かれた、白いチューブです。

Xには「家にあるしたまに使ってるのにショックすぎる」という投稿もありました(nao600416059813さんのXの投稿)。

 

ヘパリン類似物質の回収は「NIT」のローションだけ、日医工やヒルドイドは?

よくある心配が、ほかのヘパリン類似物質の薬も対象なのでは、というものです。

今回のお知らせに載っているのは、日東メディックの「NIT」のローションだけです(日東メディック)。

薬の名前の「」の中は、売り出している会社の目印です。

「NIT」は日東メディックで、日医工の製品ではありません。

検索では「ニットー」と打って調べる人もいますが、名前に書かれているのは「NIT」です。

日医工のヘパリン類似物質クリーム0.3%。名前の「」の中が「日医工」になっている
2026年10月14日の投稿(出典:kiki_2000_2001さんのXの投稿)

 

Xには、日医工のクリームは使い続けても大丈夫か、と心配する投稿がありました(kiki_2000_2001さんのXの投稿)。

写真のクリームは「日医工」なので、今回のお知らせには入っていません。

また、この「NIT」のローションは、マルホの「ヒルドイドローション0.3%」と同じ成分の後発品(ジェネリック)です(日東メディック「生物学的同等性試験」)。

ヒルドイドそのものや、ドラッグストアで買えるヘパリン類似物質の商品も、今回のお知らせには載っていません。

名前が「ローション0.3%「NIT」」でなければ、今回の回収とは関係ありません。

 

ヘパリン類似物質ローションの自主回収、クラス2とは?

今回の回収は「クラスⅡ(クラス2)」です。

薬の回収は、体への危なさの度合いで、クラスⅠからⅢの3つに分かれています(PMDA「回収情報(医薬品)」)。

お薬カレンダーのイラスト
クラス どんなときか
クラスⅠ 重い健康被害や、亡くなる原因になりうる
クラスⅡ 一時的な、または治せる健康被害の原因になる可能性がある。または、重い健康被害のおそれはまず考えられない
クラスⅢ 健康被害の原因になるとは、まず考えられない

つまり、クラスⅡはまん中です。

いちばん重いクラスⅠではありません。

 

もうひとつ知っておきたいのが、今回の回収の決め方です。

メーカーは国と話し合いました(日東メディック)。

しばらくの間は、ふだんの目安の6.7倍(1日2680ng)までなら良し、とする線を決めています。

この線を超える、または超えるかもしれない、作ってから25か月以上たった製品を回収します。

回収の線を「作ってからの月数」で引いているのがポイントです。

さらに、作ってから20か月以上たった製品も、このあと定期的に回収するとしています。

気になるときは、次に薬局へ行ったときに聞いてみましょう。

 

 

ヘパリン類似物質の発がん性は?ニトロソアミンとは、使ってしまったときの相談先

  • ヘパリン類似物質ローションに入っていたニトロソアミンとは?
  • ヘパリン類似物質ローションの発がん性は?メーカーの見方
  • ヘパリン類似物質ローションを子どもに使ってしまったときの相談先
  • これから薬局でもらうヘパリン類似物質ローションは大丈夫?

ヘパリン類似物質ローションに入っていたニトロソアミンとは?

研究室で、手袋をした手が薬の成分を調べる小さな瓶を並べる

ニトロソアミンは、アミンという物質と亜硝酸塩が反応してできる物質です(日東メディック)。

体の中で形が変わり、細胞の遺伝子(DNA)を傷つけます。

そのため、がんの原因になることがあると考えられています。

長いあいだ、決められた量を超えて取ると、がんになる危険が高まるかもしれない物質です。

 

メーカーのお知らせには、ふだんの暮らしでも一定の量を取っている、とも書かれています(日東メディック)。

農林水産省によると、ニトロソアミンは、食べ物を加熱したり、発酵させたり、熟成させたりするときに、ついでにできてしまうことがあります(農林水産省「食品中のニトロソアミン類に関する情報」)。

国は、健康に悪いかもしれない物質として調べを続けています。

 

薬では、2018年ごろから、サルタン系の薬やラニチジン、メトホルミンなどで見つかりました(PMDA「医薬品におけるニトロソアミン類混入リスクへの対策」)。

一部の製品は、自主回収されています。

今回のローションも、この流れの中で見つかったものです。

 

ヘパリン類似物質ローションの発がん性は?メーカーの見方

いちばん気になるのは、ここですよね。

メーカーは、国と決めた暫定の線(ふだんの目安の6.7倍)で管理した場合でも、使った人の生涯の発がんリスクを大きく高める可能性は「極めて低い」と判断しています(日東メディック)。

薬剤師と相談をしているイラスト

理由は、目安の決め方にあります。

1日400ngという目安は、70年間、毎日取り続けることを前提にした数字です。

しかも、10万人に1人ががんになるかどうか、というところで線が引かれています。

この製品が売り出されたのは2024年6月です。

使えた期間は長くても2年あまりで、70年よりずっと短いです。

 

また、メーカーが集めた情報では、この物質でがんを思わせる重い健康被害の報告は、これまでにないそうです(日東メディック)。

Xには、こわい見出しのAI画像も出回っています。

それを見た薬剤師さんは「こういうAI画像で不安を煽るのが増えてきましたね」と投稿していました(bawdogさんのXの投稿)。

使った=がんになる、という話ではありません。

こわい見出しの画像だけで判断せず、メーカーのお知らせを見てくださいね。

 

ヘパリン類似物質ローションを子どもに使ってしまったときの相談先

メーカーのお知らせには、子どもに限った注意は書かれていません(日東メディック)。

子どもに使っていた場合も、相談先は同じです。

「乳幼児育ててる人たち、この薬もらってる人多いんじゃないかな」という投稿もありました(marurururu64さんのXの投稿)。

もし対象のロットだったら、まずは薬をもらった薬局か、処方した病院に相談しましょう。

残りを使うかどうかや、代わりの薬をどうするかを、そこで聞けます。

Xでも、自分で判断して薬をやめたり替えたりせず、薬局に相談してほしい、という呼びかけがありました(mirigrumさんのXの投稿)。

 

メーカーにも、直接たずねる窓口があります(日東メディック)。

窓口 電話番号 受付
日東メディック おくすり相談窓口 03-3523-0345 9時〜17時(土日祝日と会社の休日はお休み)

電話するときは、手元のチューブのロット番号と使用期限を見ながらかけると、話が早いですよ。

 

これから薬局でもらうヘパリン類似物質ローションは大丈夫?

これからもらう分も、気になりますよね。

メーカーは、対象のロット以外の製品と、これから出荷する製品は、今のところ回収などは必要ないと判断しています(日東メディック)。

チューブの塗り薬のイラスト

メーカーは、作ってから20か月以上たった製品を、このあとも定期的に回収するとしています。

心配なら、次に薬局へ行ったときに「NITのローションのロットは大丈夫ですか」と聞いてみましょう。

 

まとめ

まずは、ヘパリン類似物質ローション「NIT」の自主回収のおさらいです。

対象ロットの見分け方は、名前と量、ロット番号と使用期限です。

50gと100gの222のロットで、使用期限は2026年10月から2028年1月です。

ヘパリン類似物質ローションの自主回収は、日東メディックの「NIT」のローションの話です。

ニトロソアミンが目安を超えて見つかりました。

ヘパリン類似物質の回収は「NIT」のローションだけで、日医工の製品やヒルドイドは、今回のお知らせに載っていません。

自主回収のクラス2は、3つのうちのまん中です。

今回は、作ってから25か月以上たった製品が回収の対象です。

 

次に、発がん性と相談先です。

ローションに入っていたニトロソアミンとは、がんの原因になることがある物質です。

食べ物を加熱したり発酵させたりするときにもできます。

ヘパリン類似物質ローションの発がん性について、メーカーは、暫定の線で管理しても生涯のリスクを大きく高める可能性は極めて低いと判断しています。

子どもに使ってしまったときの相談先は、薬局や処方した病院、メーカーのおくすり相談窓口です。

これから薬局でもらう分は、今のところ回収は必要ないとされています。

気になるときは、ロット番号と使用期限を見て、薬局に相談してくださいね。

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