節分といえば,豆まきですが,近年恵方巻きも普通に行われるようになってきました。
しかし,「節分イワシ」という風習には,まだなじみがないと思われます。
事実,筆者も今年になるまで,「節分いわし」という言葉を知りませんでした。
いったい,それはどんな風習なのでしょうか。
僕自身がしらなかったということで,子供から尋ねられた時にわかりやすく説明できるように調べてみました。
すると,二つのことから説明すればわかりやすいことがわかりました。
それは,
「魔除け」と「食べる」ということです。
この記事では,「節分イワシ」の由来を,「魔除け」と「食べる」というふたつのことから子供に説明できるようにまとめてみたいと思います。
節分イワシって何
まず,節分イワシとは何かということについてざっくりと説明します。
節分いわしとは,
- 焼いたイワシの頭を柊の枝に挿して玄関に飾る「魔除け」としての「柊鰯(ひいらぎいわし)」
- 節分にイワシを食べる
という二つのことをいいます。
主に西日本の風習であると言われ,特に奈良県でよく見られるとのこと。
この節分イワシ,いったいどのような由来があるのでしょうか。
イワシの頭を柊にさして飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)の由来
「節分いわし」の魔除けとしての面から見た「柊鰯」の風習。
これは,鬼が近寄れないようにするための魔除けです。
下の写真は,実際に作られている柊鰯ですが,間近で見ると,ちょっとアレですね・・・
しかし,こうやって飾ってあるのを見ると,風情があるなと思います。
昔から,「病気などの悪いものは鬼が持ってくる」と信じられていました。
その鬼が入ることができないようにするための魔除けなんです。
それでは,なぜ,柊に鰯の頭をさしたものが魔除けになるんでしょうか。
鬼は,匂いのきついものがきらい
鬼は,匂いのきついものが嫌いだと思われています。
その点,イワシをやく時には,結構きつい匂いの煙がもくもくでます。
特に「塩いわし」はかなり煙がもくもくでるそうです。
その理由から,鬼が嫌がって近づいてこないというわけです。
鬼は,とがったものがきらい
鬼は,とがったものがいやなのだと信じられています。
その点,柊の葉はとがっており,さわるとちくちくしますね。
あれを,鬼がいやがるのです。
その理由から,柊を飾ると鬼が近寄ってこないというわけです。
また,柊の葉のとげで,鬼の目を指すという意味も込められているそうです。
「においがいや」「とがったものがきらい」
きつい匂いのするやいたいわしの頭を柊に指すと,このふたつが合わさって最強!となるわけですね。
そんなものが玄関に飾られていたんでは,鬼は家にはいりたくても入れません。
これが,節分に「柊鰯」を飾る理由です。」
この「柊鰯」
もし柊やいわしが手に入らなければ,折り紙でも効果があるとも言われていますよ。
作り方はこちら。
「節分いわし」の風習がのこる地域
この節分いわしの風習は,いったいどこで行われているかというと,西日本で多いのだということです。
しかし,西日本とは言っても,九州に住む僕自身が今まで「節分いわし」などという言葉をきいたこともなければ,鰯の頭を柊にさして玄関に飾るということをしたこともありません。
西日本とは,近畿地方あたりをさすようです。
特に奈良市内に多いとのことです。
また,京都市内にも。
下の写真は,京都の路地裏と書かれています。
そうは言っても,僕の耳に入るくらいですから,じょじょに広まってきているのでしょう。
そのうち,恵方巻のように,コンビニで鰯がうられまくる日がくるのかもしれませんね。
節分にいわしを食べる由来
節分にイワシを食べるという風習にもふたつの意味があります。
ひとつは,邪気を追い払うということ。
もうひとつは,栄養をとるということです。
「節分いわし」を食べて体の邪気を追い払う
節分にイワシをたべると,体の邪気,陰の気を追い払うと考えられています。
それは,「いわし」という言葉の語源からきています。
「いわし」とは,「よわし(弱い)」とか,「いやし(卑しい)」という言葉から来ているという考えがあります。
「弱い」ということについては,いわしを陸に上げるとすぐによわってしまう,ということから。
「卑しい」ということについては,昔は,貴族が食べるものではない,というようなことから。
以上,ウィキペディアに以下のようにあります。
「イワシ」の語源については各説ある。陸に揚げるとすぐに弱って腐りやすい魚であることから「よわし」から変化したとの説(漢字の「鰯」がこれに由来したとする)のほか、「賎し」や貴族の食べ物ではない卑しい魚という意味で「いやし」に由来するとの説など諸説ある」
Wikipedia
確かに「いわし」は漢字で「鰯」と書きますよね。
弱いという字が入っています。
そんな「弱くて,卑しい魚」を食べるということで邪気を追い払う,という気持ちがこめられているんですね。
では,なぜ節分に食べるのかというと,大晦日に年越しイワシを食べるのと同じです。
大晦日にイワシを食べて邪気を追い払いますよね。
節分は,旧暦での大晦日にあたる日なので,「大晦日にいわしを食べる」という意味で節分に食べるわけです。
「節分いわし」を食べて栄養をとる
もうひとつの意味は,栄養の補充です。
鰯には,実はDHAとかカルシウムなどの栄養がたくさん含まれているんですね。
昔は,今と違っていわしはたくさん捕れていました。
庶民の健康の維持管理に一役買っていた栄養源だったわけです。
冬は体が弱りますので,この時期に栄養価の高いイワシを食べるのは,理にかなっていたわけですね。
以上,節分鰯を食べる,という由来について,「邪気を追い払うという」ということと「栄養補充をする」という2つのことから説明しました。
まとめ 「節分イワシを飾る地域や飾り方は?由来を子供にわかるように説明」
以上,節分鰯について,
- 「魔除け,飾る」ということ
- 「食べる」ということ
というふたつのことから説明しました。
「魔除け」については,「焼くときつい匂いが出る鰯の頭」を,「鬼が嫌がるちくちくする葉を持つ柊の枝にさす」ことで,鬼がいやがって家に入ってこないようにする柊いわしで説明してあげましょう。
「食べる」については,「弱い」いわしだけど,栄養がとてもあるいわしを食べることで,体から悪いものを追い出し,栄養をたくさんとりいれるためですよと教えてあげましょう。
この節分いわし,飾ったあとはどうすたらいいのか,とかいつまで飾るのかなどの疑問もあるようなので,また別の記事で調べて見たいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。