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ノーベル物理学賞2026のハルツェン教授は誰?南極の氷でニュートリノをとらえたアイスキューブと千葉大の役割をわかりやすく

-8人に関する話題

2026年のノーベル物理学賞は、フランシス・ハルツェン教授に決まりました。

アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の物理学者です(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

 

「ハルツェン教授って、だれ?」

ニュースを見て、そう思った人も多いですよね。

しかも受賞の理由は「ニュートリノ」に「アイスキューブ」。

聞いたことはあっても、何のことかはよくわからない言葉です。

 

でも、中身はとてもシンプルなんです。

南極の氷を、宇宙からの小さな粒をとらえる大きな「網」にした。

ひとことで言うと、そういうお話です。

しかも、この研究には日本の千葉大学も加わっています。

 

この記事では、ハルツェン教授がどんな人なのかと、受賞の理由をかんたんにまとめました。

ニュートリノとは何か、南極のアイスキューブのしくみも、わかりやすくお伝えします。

読み終わるころには、家族や職場で「実はね」と話せるようになりますよ。

この記事のポイントは以下の4点です。

  • ハルツェン教授は1944年ベルギー生まれ、アメリカのウィスコンシン大学の物理学者
  • 受賞の理由は、南極の観測所「アイスキューブ」づくりと、宇宙から来たニュートリノの発見
  • ニュートリノは、毎秒650億個が小指の爪を通りぬけている、つかまえにくい粒
  • アイスキューブには日本からただ1つ千葉大学が加わり、最初の宇宙ニュートリノも見つけた

 

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ノーベル物理学賞2026のハルツェン教授は誰?受賞理由と経歴

  • ハルツェン教授は誰?ベルギー生まれの物理学者
  • ノーベル物理学賞2026の受賞理由は「アイスキューブ」と高エネルギーニュートリノの発見
  • ハルツェン教授が南極の氷の案を発表したのは1988年、きっかけはソ連の研究
  • ハルツェン教授の受賞の言葉と、授賞式・賞金(約1億8,000万円)

ハルツェン教授は誰?ベルギー生まれの物理学者

雪と氷が広がる南極の平原に建つ観測所の建物

ハルツェン教授は、1944年にベルギーのティーネンという町で生まれました(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

1969年に、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学で博士号をとっています。

今は82歳です(時事ドットコム「アイスキューブにノーベル賞」)。

 

はじめに研究していたのは、クォークという、もっと小さな粒からできた重い粒子でした(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

博士号をとってすぐに、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校へ移ります。

大学の物理学の先生になったのは1972年です(ウィスコンシン大学「Francis Halzen named 2026 Nobel laureate in physics」)。

 

つまり、50年以上、同じ大学で研究を続けてきた人なんですね。

今は、南極の観測所「アイスキューブ」の研究チーム全体のリーダーです。

 

ノーベル物理学賞2026の受賞理由は「アイスキューブ」と高エネルギーニュートリノの発見

受賞の理由は、次のとおりです(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

「アイスキューブ・ニュートリノ観測所への決定的な貢献と、宇宙から来る高エネルギーのニュートリノの発見」。

 

かみくだくと、こうです。

南極の氷の中に、宇宙からの粒をとらえる装置を作った。

そして、太陽系のずっと外から飛んできたニュートリノを、本当に見つけた。

 

氷を使って宇宙をのぞく、という新しい天文学の道を開いた。

ここが、高く評価されたところです。

選考委員会の委員長も「新しい種類の天文学への道を開いた」と話しています(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

 

ハルツェン教授が南極の氷の案を発表したのは1988年、きっかけはソ連の研究

ハルツェン教授が南極の案を発表したのは、1988年です(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

 

きっかけは、1980年代に聞いたソ連の研究者の計画でした。

南極で、電波を使ってニュートリノをとらえよう、というものです。

これを聞いたハルツェン教授は、ひらめきます。

氷の中に光のセンサーを入れれば、ぶつかったときの光を見られる、と考えたのです。

 

そのあと、ハワイの海でニュートリノをとらえる計画にいた研究者と話し合いました。

そして1988年、ポーランドの学会で、南極の氷の観測所の案を発表します。

 

とはいえ、すんなり進んだわけではありません。

1992年に、はじめて氷の中へセンサーを下ろしてみました。

1993年のクリスマスイブ。

ハルツェン教授は、ひざにパソコンをのせて待っていました。

最初のケーブルが氷に入った、という知らせです。

 

ところが、上のほうの氷は泡だらけでした。

光があちこちに散って、最初の結果はがっかりするものでした。

それでも、1,400mより下の氷はとても透明だとわかります。

光が300mも届くほどで、だれも思っていなかったほどでした。

はじめて氷にセンサーを下ろしてから大きな発見まで、20年ほどかかった研究なんですね。

 

ハルツェン教授の受賞の言葉と、授賞式・賞金(約1億8,000万円)

受賞が決まって、ハルツェン教授はこう話しています(ウィスコンシン大学「Francis Halzen named 2026 Nobel laureate in physics」)。

「これは、とても変わったプロジェクトをたたえるものです」。

そして、ウィスコンシン大学の研究の土台がなければ、ほかの場所ではできなかっただろう、と続けました。

自分ひとりではなく、チームと大学の力だという言い方ですね。

 

賞金は、1,200万スウェーデンクローナです(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

日本円にすると、約1億8,000万円になります(時事ドットコム「アイスキューブにノーベル賞」)。

授賞式は12月10日に、スウェーデンのストックホルムで開かれます。

 

 

ニュートリノとは?わかりやすく、南極のアイスキューブのしくみと千葉大の役割

  • ニュートリノとは?毎秒650億個が小指の爪を通りぬける、つかまえにくい粒
  • アイスキューブとは?南極の氷1立方キロに5,160個の光のセンサー
  • アイスキューブで何がわかった?宇宙から来たニュートリノと遠い銀河
  • アイスキューブに千葉大が参加、日本からただ1つの機関
  • ニュートリノとノーベル賞と日本、小柴昌俊さんと梶田隆章さん

ニュートリノとは?毎秒650億個が小指の爪を通りぬける、つかまえにくい粒

天の川の下で、夜空へ手をかざす人の後ろ姿

ニュートリノは、宇宙でいちばん「恥ずかしがり屋」の粒です(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

電気を持たず、重さもほとんどありません。

だから、ほとんどの物を、何もなかったようにすり抜けてしまいます。

 

どのくらいたくさんあるのかというと、驚きの数です。

太陽から来るニュートリノだけで、毎秒650億個が、あなたの小指の爪を通りぬけています。

もちろん、だれも気づきません。

 

では、どうやって見つけるのでしょうか。

ニュートリノは、ごくまれに原子の中心にある原子核とぶつかります(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

このときに出る小さな光を、センサーでとらえるんです。

 

ニュートリノのよいところは、宇宙をまっすぐ進んでくることです。

途中で向きを変えず、エネルギーも失いません(ノーベル賞公式サイト「Press release: Nobel Prize in Physics 2026」)。

来た方向をたどれば、どこで生まれたのかがわかるはず。

ほかの方法では見えない宇宙のことを教えてくれる、ありがたい粒なんですね。

 

アイスキューブとは?南極の氷1立方キロに5,160個の光のセンサー

アイスキューブは、南極点の氷の中にある観測所です(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

大きさは、なんと1立方キロメートル。

たて、よこ、深さがそれぞれ1kmの氷が、まるごと観測の装置になっています。

 

氷の中には、5,160個の光のセンサーが入っています。

86本のケーブルに分けて、地表から1,450mから2,450mの深さにつるしてあります。

センサーは直径33cmほどの球です(千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター「IceCube実験」)。

全部のセンサーがそろったのは2011年です(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

 

なぜ南極なのかというと、いいことがたくさんあるからです(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

深いところは、いつも真っ暗。

海とちがって、生き物が光を出してじゃますることもありません。

地震もなく、氷はどっしりと安定しています。

もともと研究の基地があったのも、大きな利点でした。

 

ただし、作業ができるのは南極の夏、11月から2月の間だけ。

氷に穴をあけるときは、お湯を吹き出すシャワーのような道具を使いました。

氷をとかして深い穴をあけ、そこへセンサーを下ろしたそうです。

 

アイスキューブで何がわかった?宇宙から来たニュートリノと遠い銀河

アイスキューブは、2013年に大きな知らせを出しました(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

宇宙の遠くから来たニュートリノを見つけた、という最初の証拠です。

その数年後には、データが集まり、たしかな発見になりました。

 

では、宇宙のどこから来たのでしょうか。

はじめて手がかりがつかめたのは、2017年です(千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター「IceCube実験」)。

アイスキューブがとらえたニュートリノの来た方向を、世界中の望遠鏡がいっせいに追いかけました。

すると、その先に「ブレーザー」と呼ばれる天体が見つかります。

ニュートリノを出した天体がわかったのは、これがはじめてでした。

 

2022年には、4,700万光年先の銀河について、最初の証拠が出ました(ウィスコンシン大学「Francis Halzen named 2026 Nobel laureate in physics」)。

その銀河から、エネルギーの高いニュートリノが出ている、という証拠です。

2023年には、私たちの天の川銀河から来るニュートリノもとらえています。

 

ノーベル賞公式サイトが候補として挙げているのは、NGC 1068という銀河です(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

とらえたニュートリノのうち79個が、この銀河の方向から来ているように見えるそうです。

ただ、ここが出どころだと言い切るには、まだ証拠が足りません。

数を集めるほど、宇宙のどこで生まれたのかがはっきりしていくというわけです。

 

次の計画「アイスキューブGen2」では、8立方キロメートルの氷を使う予定です。

今の8倍の大きさですね。

 

アイスキューブに千葉大が参加、日本からただ1つの機関

この研究には、日本の千葉大学も加わっています(時事ドットコム「アイスキューブにノーベル賞」)。

千葉大学の吉田滋教授や石原安野教授が参加しています。

 

千葉大学は、2002年の建設のはじめから、この研究に加わってきました(千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター「IceCube実験」)。

日本からの参加は、千葉大学ただ1つです。

2020年の時点で、世界の12か国から50の研究機関が参加しています。

 

2011年8月と2012年1月には、とてもエネルギーの高い宇宙のニュートリノが2つとらえられました。

名前は「アーニー」と「バート」。

子ども番組のキャラクターと同じ名前で、ちょっとかわいいですよね。

この2つを見つけたのは、千葉大学のチームです(千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター「IceCube実験」)。

2012年の国際会議では、石原安野教授が、世界の研究チームを代表して発表しました。

宇宙から来たニュートリノの発見は、日本のチームの手から始まっていたんですね。

 

ニュートリノとノーベル賞と日本、小柴昌俊さんと梶田隆章さん

実は、ニュートリノは日本と縁の深い粒です。

 

1987年、日本の観測装置カミオカンデが、星の爆発から来たニュートリノをとらえました。

これを率いた小柴昌俊さんは、2002年にノーベル物理学賞を受けています。

2015年には、梶田隆章さんが、ニュートリノが姿を変えることを見つけて受賞しました(ノーベル賞公式サイト「Popular information」)。

 

日本の研究は、太陽や星の爆発から来るニュートリノで、大きな役割を果たしてきました。

アイスキューブは、それをさらに遠い宇宙へ広げた研究です。

今回の受賞は、日本にとっても無関係ではないと言えそうですね。

 

まとめ

まずは、ノーベル物理学賞2026のハルツェン教授が誰なのかと、受賞理由のおさらいです。

ハルツェン教授は、ベルギー生まれの82歳で、ウィスコンシン大学の物理学者です。

受賞理由は、アイスキューブづくりと、宇宙から来たエネルギーの高いニュートリノの発見です。

南極の氷を使う案は1988年に発表され、きっかけはソ連の研究者の計画でした。

受賞の言葉では、チームと大学の力をたたえました。

授賞式は12月10日で、賞金は約1億8,000万円です。

 

次に、ニュートリノとは何かと、南極のアイスキューブのしくみ、千葉大の役割です。

ニュートリノは、毎秒650億個が小指の爪を通りぬける、つかまえにくい粒です。

アイスキューブは、南極の氷1立方キロに5,160個の光のセンサーを入れた観測所です。

アイスキューブで、宇宙から来たニュートリノと、それを出した天体の手がかりが見つかりました。

アイスキューブには、日本からただ1つ、千葉大学が参加しています。

宇宙から来た最初の2つのニュートリノを見つけたのも、千葉大学のチームです。

ニュートリノとノーベル賞では、小柴昌俊さんと梶田隆章さんも受賞していて、日本と縁の深い研究です。

ニュースで「ニュートリノ」と聞いたら、南極の氷を思い出してみてくださいね。

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