ドイツのレオパルト2がウクライナに提供されることが決まりました。
報道では「世界最強」という文字が踊っていました。
いった何が世界最強なのでしょうか。
そして,同じく「世界最強」と言われているアメリカの主力戦車「エイブラムズ」とくらべてどうなのでしょうか。
「成形炸薬弾」とか「RHA換算」などという専門的なことは難しい話になるので分かりづらくなります。
なので,ざっくりとわかりやすく解説します
レオパルド2の攻撃はやたらと強い
レオパルド2の貫通力がすごい
レオパルト2は,主砲で120ミリ戦車砲といわれるものを搭載しています。
エイブラムズに搭載されている主砲と同じものです。
この砲弾は,800ミリの厚さの鋼鉄を貫通できます。
800ミリといえば,80cmですよ。
1メートル近い厚さの鉄板を撃ち抜く力を持った砲弾を発射できるということですね。
第2次世界対戦の最強大砲は,20cmの厚さの鉄板を撃ち抜くのが限界だったので,当時と同じ程度の戦車なら,簡単に撃破できてしまいます。
レオパルト2の命中精度がやたらと高い
貫通力だけではありません。
砲弾のコントロールによる命中精度もすごく高いのです。
イスラエルがレオパルト2で発射できるようにつくった誘導弾があります。
対戦車誘導なので,これを使えば相手の戦車めがけて飛んでいき,確実に命中させることができるんです。
これも800ミリの厚さの鉄板は貫通できるので,かなり強力ですね。
レオパルト2は,自国開発のものだけでなく,他国の開発したものも活用できるというところも強さの秘密の一つですね。
アメリカのエイブラムズも120ミリ砲なので,これが使えるはずです。
もはやチート級のこの誘導砲弾は,各国から提供される数十~300両のレオパルトを始め,30両のエイブラムスなどにより,ウクライナでロシア戦車相手に使われることになるでしょう。
レオパルド2はやたらと硬い
レオパルト2の装甲はやたらと硬いです。
専門的な数値はわかりにくいのでざっくりいうと,
第2次世界対戦の頃に重装甲と言われていた硬さの値を100とすると,レオパルト2は700~1000の硬さを持っています。
アメリカの主力エイブラムスは,600~700と言われています。
防御力では,エイブラムスにまさると言えるかもしれません。
(軍事機密等により推定値となっているので,数値に違いはあります。これをもってレオパルト2の方が硬いと一概には言えません)
レオパルド2はなんでこんなに硬いのか
なぜ,こんなに硬いのでしょうか
それは,「複合装甲」といって,1枚の素材だけなく,複数の素材を重ねて作られた装甲なので,硬いんです。
イギリスのチャレンジャー2やアメリカのエイブラムスも複合装甲ですが,それとは違う装甲のようです。
詳細は不明だとのことです。
ロシアの戦車も硬いのか
気になるのはロシアの戦車の硬さですね。
ロシアもかなり硬いです。
T-72もT-90も複合装甲です。
なんと800~1500の硬さと言われています。
かなり硬いですね。
エイブラムスが使う砲弾を使えば対応できるそうですが,それでもかなり硬いといえますね。
ドイツはなぜレオパルド2をウクライナに送ることを渋ったのか
さて,レオパルト2の強さがわかったところで,なぜドイツはこの戦車を送ることを渋っていたのでしょうか。
ドイツはロシアと良好な関係を気づくために長年努力してきました。
ウクライナにレオパルド2を送るとその関係が無にされてしまうことがあり,渋っていたんです。
しかし西側諸国からこの態度が批判され,板挟みに。
ポーランドやフィンランドなど,レオパルド2がある国はいくつもあります。
それらの国はウクライナにレオパルト2をを送りたがっていました。
しかし,開発国であるドイツが承認しなければ提供できないというルールになっていたんです。
これでは,度の国もレオパルド2をウクライナに送ることができません。
しかしドイツとしては,自分の国の戦車だけがウクライナに提供されることが,ロシアとの関係上とてもいやだったわけですね。
業を煮やしたポーランドからも,提供を許可しないなら独自に送るぞとたきつけらえることになり,板挟み状態がさらに加速するドイツでした。
1月の下旬になり,アメリカが主力戦車エイブラムズを送ると表明し,イギリスもチャレンジャー2をフランスもルクレールを送ると決めました。
ドイツだけではなくなったことから,足並みを揃える形でようやくウクライナへの提供を決めたというわけです。
まとめ
以上,レオパルト2が最強と言われるのは,その強さ,硬さにあったわけですね。
レオパルト2が提供されることが決まったというだけで世界が大騒ぎするのもよくわかります。
ロシアは,世界最強レオパルト2が保持国で合わせて300両ほども提供される上に,アメリカの,これまた世界最強エイブラムスや,イギリスの超硬いチャレンジャー2などが導入されたウクライナで,かなり苦戦を強いられることになるでしょうね。
はやく集結してくれることを祈っています。
なお,解説にあたって,いくつかの動画を参考にさせていただきました。
下記の動画はとてもわかり易かったです。