トップ・ガン マーヴェリックでは,最新のF35ではなく,F/A-18E/F(以下FA-18と表記)が使われました。
FA-18は,1999年に運用開始された戦闘機で,すでに20年以上たっています。
最新のF35は,2015年から運用されています。なので,トップ・ガン2では,最新の戦闘機が使われるのではないかと楽しみにしていたそうですが,そうはなりませんでした。
その理由としては,F35が単座,つまり,一人乗りであることがあげられています。
F35は単座なので選ばれなかった?
F35は,一人乗りです。
パイロット一人しか乗れません。
しかし,国防総省の規定では,民間人は戦闘機の操縦桿をにぎることはできないとされています。
この時点でF35を使うという選択はなくなりました。
CGを使わず,全て本物でやる,というコンセプトで作られる以上,役者が乗り込めない機体を使うことはできないのです。
FA18Fは,複座(二人乗り)です。 ちなみに末尾のE/FのEは一人乗り(単座),Fは二人乗り(複座)を表します。
今回の映画では,トム・クルーズはじめ役者たちは,後部座席に乗り組んで撮影をしています。
以上のことができる最新型戦闘機はFA-18だったということですね。
ちなみに,F35の一つ前,2005年運用開始のF22も一人乗りですので,選択されなかったと考えられます。
FA-18に決まった時の空軍と海軍のディスり合戦
みんなが待ち望んでいたトップ・ガン続編に使われる戦闘機はなにか。
まず,トム・クルーズが2018年にトップ・ガンの続編を撮影し始めたことを匂わせるTweetをします。
Feel the need.とあります。
「必要性を感じる」とありますが,「やらなきゃ!!」という感じじゃないでしょうか。
ところが,背景にぼんやり写っている機体。これをみて,
なんとF-35じゃない!!!これはどうもF/A-18だ!!!!
と大騒ぎになったんです。
すると,空軍がつぎのような引用リツイートをしました。
直訳すると,
となります。

F/A-18ってちょっとばかり遅いでしょ?スピードで選ぶなら空軍自慢のF-15を選んだら?
といわけですね。
空軍としても,いささかなんでF/A-18なんだ,と腑に落ちなかったんでしょう。
すると海軍が次のようにリプライしています。
U.S。Navyのとして「Remember, boys, no points for second place.」と言ってます。

2位に選択されるポイントはないぜ!
といったところでしょうか。
ちなみに,F/A-18は,海軍保有ですから,花唯だかといったところでしょうか。
すると今度は,空軍がやり返します。
「The F-15 knows nothing about this “second place” thing you speak of. Check the scoreboard!」
直訳すると
まあ,以下のような感じでしょうか。
ちょっとあまりにも紳士的でしゃちこばっているので,意訳します。

「2位」って何のこった!スコアボードをチェックしてみな!
・・・とまあ,空軍と海軍の間でこういうやりとりが行われたんですね。
まあ,大人げないというか,かわいいというか。
こういうジョークの応酬ができるのがアメリカテイストなんでしょう。
しかし,このような応酬になるのもわかります。
初代トップ・ガンのときには,映画の後一気に志願者が増えたということですから,志願者先細りの現代において,何が選ばれるのかということは,それなりに軍にとって大きな意味があるんですね。
かといって,裏で軍が映画でつかわれる戦闘機の選択について何かやってる・・という工作感がまったくないのもまた,トム・クルーズのちから何でしょう。