
火山爆発指数は、噴火で出た火山灰や軽石の量で決める、噴火の大きさの目安です。
0から8までの9段階で、2から上は1つ上がるごとに量がおよそ10倍になります。
富士山の宝永噴火(1707年)は5、桜島の大正大噴火(1914年)は4です。
「今回の噴火は指数いくつ?」
大きな噴火のニュースが流れると、こんな数字が気になりますよね。
でも、指数がどうやって決まるのか、日本の噴火はいくつだったのかは、まとめて見られる場所があまりありません。
この記事では、気象庁の資料から、日本の噴火を指数の大きい順に表にしました。
よく似た「噴火警戒レベル」との違いと、指数7以上の日本の火山も、公式の情報で確かめています。
ニュースで数字を見たとき、どのくらいの噴火なのかがすぐわかりますよ。
この記事のポイントは以下の4点です。
- 火山爆発指数は0〜8の9段階。噴火で出た火山灰や軽石の量で決める
- 噴火警戒レベル(1〜5)とは別もの。警戒レベルは「どこまで警戒して、何をすればいいか」
- 記録が残る時代の最大は指数5。富士山の宝永噴火のほか、北海道の樽前山・有珠山・駒ヶ岳、浅間山にもある
- 指数7以上の超巨大噴火は、日本では7,300年前の鬼界カルデラが一番新しい
火山爆発指数とは?決め方と噴火警戒レベルとの違い
- 火山爆発指数とは?噴火の規模を0〜8で表す目安
- 火山爆発指数の決め方は?1つ上がると量は10倍
- 火山爆発指数と噴火警戒レベルの違いは?ニュースの数字の見分け方
- 火山爆発指数は噴火してすぐわかる?トンガの噴火の例
火山爆発指数とは?噴火の規模を0〜8で表す目安

火山爆発指数は、英語の頭文字をとって「VEI」とも呼ばれます。
噴火で空に吹き上げられ、降り積もった火山灰や軽石の量で、噴火の大きさを0から8に分けたものです。
気象庁の資料では、指数ごとの量と呼び方がこう決まっています(気象庁「有史以降の火山活動について」)。
| 指数 | 火山灰などの量 | 呼び方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 0 | 1万m³未満 | 非爆発的噴火 | ― |
| 1 | 1万〜100万m³ | 小規模 | 浅間山(2009年) |
| 2 | 100万〜1,000万m³ | 中規模 | 御嶽山(1979年) |
| 3 | 1,000万〜1億m³ | やや大規模 | 伊豆大島(1986年) |
| 4 | 1億〜10億m³ | 大規模 | 桜島(1914年) |
| 5 | 10億〜100億m³ | 非常に大規模 | 富士山(1707年) |
| 6 | 100億〜1,000億m³ | 非常に大規模 | ピナツボ(1991年、フィリピン) |
| 7 | 1,000億〜1兆m³ | 非常に大規模 | 鬼界カルデラ(7,300年前) |
| 8 | 1兆m³以上 | 非常に大規模 | タウポ(22,600年前、ニュージーランド) |
(気象庁「有史以降の火山活動について」の表1、気象庁の各火山の有史以降の火山活動、サイエンスポータル「現代日本人未経験、超巨大噴火に迫る」、USGS「What is a supervolcano?」をもとに作成)
5から上は、どれも「非常に大規模」とひとまとめです。
指数7以上の噴火は「超巨大噴火」と呼ばれます(サイエンスポータル「現代日本人未経験、超巨大噴火に迫る」)。
ニュースでは「破局噴火」は7以上と紹介されています(朝日新聞「火山爆発指数5~6の規模か ピナトゥボが6、『破局噴火』は7以上」)。
火山爆発指数の決め方は?1つ上がると量は10倍

指数は、地面に積もった火山灰や軽石を調べて、全部でどれだけ出たかを見積もって決めます。
表を見ると、2から上は、1つ上がるごとに量が10倍になっていますよね。
指数が2つ違うと100倍、3つ違うと1,000倍です。
指数3の伊豆大島の噴火と、指数7の鬼界カルデラの噴火では、量が1万倍ちがう計算です。
ここで1つ、気をつけたいことがあります。
指数には、溶岩流や溶岩ドームの量が入りません(気象庁「有史以降の火山活動について」)。
たとえば、桜島の大正大噴火(1914年)です。
溶岩が海まで流れ、瀬戸海峡(桜島と大隅半島のあいだの海)をふさいでしまいました。
気象庁は、噴火で出たものを全部マグマの体積に直した量を「DRE km³」で書いています。
大正大噴火のマグマの量は1.58 DRE km³で、富士山の宝永噴火の0.7 DRE km³より多いんです。
それでも指数は4で、宝永噴火の5より小さくなっています(気象庁「桜島 有史以降の火山活動」、気象庁「富士山 有史以降の火山活動」)。
指数は「どれだけ火山灰や軽石を吹き上げたか」の目安と考えると、わかりやすいですよ。
火山爆発指数と噴火警戒レベルの違いは?ニュースの数字の見分け方

ニュースで火山の数字が出てきたら、まず「指数」か「レベル」かを見てください。
よく似ていますが、表しているものがまったく違います。
| 火山爆発指数 | 噴火警戒レベル | |
|---|---|---|
| 表すもの | 出た火山灰や軽石の量(噴火の大きさ) | どこまで警戒して、何をすればいいか |
| 段階 | 0〜8 | 1〜5 |
| 決まるとき | 噴火のあと、積もったものを調べて見積もる | 噴火の前でも、火山の様子に合わせて気象庁が発表 |
| こんな人が見る | 噴火の大きさを、ほかの噴火とくらべたい人 | 登山する人、火山の近くに住む人 |
(気象庁「有史以降の火山活動について」、気象庁「噴火警戒レベルの説明」をもとに作成)
噴火警戒レベルは、1が「活火山であることに留意」、2が「火口周辺規制」、3が「入山規制」、4が「高齢者等避難」、5が「避難」です(気象庁「噴火警戒レベルの説明」)。
2026年3月の時点で、常時観測火山51のうち、49の火山で使われています。
自分が何をすればいいかを知りたいときは、指数ではなく噴火警戒レベルを見ます。
ただし、異常が見つからないまま噴火することもあります。
気象庁は、レベルが順番どおりに上がるとは限らない、とも注意しています。
レベル3のときに何が起きるのかは、噴火警戒レベル3の記事にまとめています。
火山爆発指数は噴火してすぐわかる?トンガの噴火の例

指数は、噴火した日にすぐ決まるものではありません。
積もった火山灰や軽石の量を調べるのに、時間がかかるからです。
2022年1月15日、南太平洋のトンガ沖の海底火山が大きく噴火しました。
噴煙は上空約20キロまで上がり、半径260キロにわたって広がったとみられています(朝日新聞「火山爆発指数5~6の規模か ピナトゥボが6、『破局噴火』は7以上」)。
次の日の記事で、防災科学技術研究所の中田節也センター長は、噴煙の高さや広がりから、指数5〜6だったのではないか、と指摘しています。
このように、噴火の直後に出る指数は、専門家の見立てです。
このときも「5〜6」と幅をもって伝えられました。
ニュースでは「〜とみられる」の言葉にも気をつけて読んでくださいね。
くらべに挙げられたフィリピンのピナツボ火山(1991年)は、指数6でした。
この噴火のあと、地球の平均気温が2年間0.5度下がり、日本では深刻な米不足が起きています(サイエンスポータル「現代日本人未経験、超巨大噴火に迫る」)。
指数6になると、遠くの国の暮らしにまで関わってくるんですね。
日本の火山噴火の規模ランキングと火山爆発指数7以上の火山
- 日本の火山噴火の規模ランキング(有史以降)
- 富士山の火山爆発指数は?宝永噴火は5
- 桜島の火山爆発指数は?大正大噴火は4
- 浅間山の火山爆発指数は?天明噴火は4、天仁噴火は5
- 火山爆発指数7以上の日本の火山は?鬼界・姶良・阿蘇
- 火山爆発指数8の噴火は?世界の破局噴火
日本の火山噴火の規模ランキング(有史以降)

気象庁の各火山の「有史以降の火山活動」には、噴火ごとに指数が書かれています。
主な噴火を、指数の大きい順に並べました。
指数が同じときは、マグマが出た量の多い順です。
| 順位 | 火山と噴火 | 年 | 指数 | マグマが出た量 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 樽前山(北海道) | 1739年 | 5 | 1.6 DRE km³ |
| 2 | 樽前山(北海道) | 1667年 | 5 | 1.1 DRE km³ |
| 2 | 有珠山(北海道) | 1663年 | 5 | 1.1 DRE km³ |
| 2 | 北海道駒ヶ岳 | 1640年 | 5 | 1.1 DRE km³ |
| 5 | 富士山(宝永噴火) | 1707年 | 5 | 0.7 DRE km³ |
| 6 | 浅間山(天仁噴火) | 1108年 | 5 | 0.62 DRE km³ |
| 7 | 桜島(大正大噴火) | 1914年 | 4 | 1.58 DRE km³ |
| 8 | 浅間山(天明噴火) | 1783年 | 4 | 0.51 DRE km³ |
| 9 | 伊豆大島 | 1986年 | 3 | ― |
| 9 | 三宅島 | 2000〜02年 | 3 | ― |
| 11 | 御嶽山 | 1979年 | 2 | ― |
(気象庁の樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、富士山、浅間山、桜島、伊豆大島、三宅島、御嶽山の「有史以降の火山活動」をもとに作成。この記事で確かめた噴火の中での順位)
記録が残っている時代の日本の噴火では、指数5が一番大きなクラスです。
指数6以上の噴火は、この表にはありません。
意外なのは、1位から4位がどれも北海道の火山だということ。
1640年の北海道駒ヶ岳では、山の頂上の一部がくずれ、土砂が大沼と内浦湾になだれ込みました。
これで津波が起き、沿岸で700余名が亡くなっています(気象庁「北海道駒ヶ岳 有史以降の火山活動」)。
表にない噴火にも、指数4のものはあります。
桜島は文明(1471〜76年)と安永(1779〜82年)、浅間山は1128年にも指数4の噴火を起こしました。
伊豆大島や三宅島にも、昔は指数4の噴火があります。
「噴火 規模 ランキング」で調べるときは、指数と、マグマが出た量の両方を見ると、くらべやすいですよ。
富士山の火山爆発指数は?宝永噴火は5

富士山の一番新しい噴火は、1707年の宝永噴火です。
ランキングでは5位、指数は5で、マグマが出た量は0.7 DRE km³でした(気象庁「富士山 有史以降の火山活動」)。
12月16日の朝、富士山の南東の中腹が爆発しました。
今の宝永山のあたりで、写真の宝永火口はこのときにできた火口です。
その日のうちに江戸にも多くの灰が降り、川崎では厚さ5cm積もりました。
噴火は月末まで続き、家や畑が埋まった村では、多くの人が飢えで亡くなっています。
では、富士山で一番大きな噴火は宝永噴火なのでしょうか。
実は、864〜866年の貞観噴火では、マグマが出た量が1.2 DRE km³と、宝永噴火より多かったんです。
このとき流れた溶岩が、今の青木ヶ原の溶岩です。
ただ、気象庁の表には、貞観噴火の指数は書かれていません。
指数には溶岩の量が入らないので、溶岩が多く流れた噴火は、指数だけでは大きさがつかみにくいんです。
「富士山 噴火 規模」で調べるときは、指数5の宝永噴火と、溶岩が多かった貞観噴火の2つを覚えておくといいですよ。
桜島の火山爆発指数は?大正大噴火は4

桜島の大正大噴火は、1914年1月12日に始まりました。
指数は4です。
13日の夜から溶岩が流れ出し、西に流れた溶岩は海に達して、沖の烏島を飲み込みました(気象庁「桜島 有史以降の火山活動」)。
降った灰は、遠く仙台まで届いています。
噴火が始まって約8時間後には、マグニチュード7.1の地震も起きました。
地震と噴火で、亡くなった人は58名です。
写真の黒神埋没鳥居は、このときの軽石と火山灰で埋まった鳥居です。
噴火のすさまじさを伝えるため、そのままの形で残されています。
浅間山の火山爆発指数は?天明噴火は4、天仁噴火は5

浅間山の天明噴火(1783年)は、指数4です。
5月から8月はじめまで、約90日間も活動が続きました(気象庁「浅間山 有史以降の火山活動」)。
8月5日には、鎌原火砕流と、山がくずれた土砂のなだれが、北のふもとへ流れ下りました。
そのすぐあとに、鬼押出溶岩が北側の斜面を流れています。
写真の鬼押出し園の岩は、このときの溶岩です。
亡くなった人は1151名にのぼります。
指数は4でも、火砕流や泥流が起きると被害はとても大きくなるんです。
浅間山には、もっと指数の大きな噴火もあります。
1108年の天仁噴火で、指数は5、マグマが出た量は0.62 DRE km³でした。
天明噴火の0.51 DRE km³より多く、ランキングでは6位です。
火山爆発指数7以上の日本の火山は?鬼界・姶良・阿蘇

指数7以上の超巨大噴火は、日本でも起きています。
サイエンスポータルは、過去10万年の間に超巨大噴火が起きた火山として、次の11を挙げています(サイエンスポータル「現代日本人未経験、超巨大噴火に迫る」)。
| 地方 | 超巨大噴火を起こした火山 |
|---|---|
| 北海道 | 摩周、屈斜路、支笏、洞爺 |
| 東北 | 十和田 |
| 九州 | 阿蘇、加久藤、小林、姶良、阿多北、阿多南 |
(サイエンスポータル「現代日本人未経験、超巨大噴火に迫る」をもとに作成)
平均すると、1万年に1回ほどです。
この11とは別に、国内で一番新しい超巨大噴火が、7,300年前の鬼界カルデラ(鹿児島県の薩摩硫黄島のあたり)の噴火です。
火砕流は海を渡り、約40キロ離れた九州の南部まで届いています。
その地域に住んでいた縄文人はほぼ全滅し、また人が住むようになったのは500年後だったと言われています。
1,000キロ離れた小田原でも、5センチの火山灰が積もりました。
写真の地層の④が、そのとき九州に積もった火山灰です。
今の桜島のあたりにある姶良カルデラの噴火は、29,000年前です。
阿蘇のカルデラは、約27万年前から9万年前までの4回の大きな火砕流でできました(気象庁「阿蘇山」)。
今後100年間に超巨大噴火が起きる確率は1%という試算もあります。
日本のどこにある火山なのかは、スーパーボルケーノとは?日本のどこにあるのか場所も紹介の記事でも紹介しています。
火山爆発指数8の噴火は?世界の破局噴火

指数8は、1回の噴火で1,000立方キロメートルを超える量を出した噴火です(USGS「What is a supervolcano? What is a supereruption?」)。
アメリカ地質調査所(USGS)によると、アメリカのイエローストーンで一番大きかった噴火は210万年前で、2,450立方キロメートルでした。
地球で一番新しい指数8の噴火は、ニュージーランドのタウポで、22,600年前です。
量は約1,130立方キロメートルでした。
ほかに、インドネシアのトバなども、過去200万年のうちにとても大きな噴火を起こしています。
USGSは、日本の大きなカルデラ火山も、指数8の噴火を起こしうる火山に入れています。
記録に残る時代の日本の噴火は、ランキングの表のとおり、どれも指数5までです。
一番新しい指数8の噴火でも、2万2,600年前のことです。
まとめ
まずは、火山爆発指数とは何か、のおさらいです。
火山爆発指数とは?→噴火で出た火山灰や軽石の量で、噴火の規模を0〜8で表す目安です。
火山爆発指数の決め方は?→積もったものの量を見積もります。2から上は1つ上がると量は10倍。溶岩の量は入りません。
火山爆発指数と噴火警戒レベルの違いは?→指数は噴火の大きさ、レベルはどこまで警戒して何をすればいいか。何をすればいいかは、噴火警戒レベルを見ます。
火山爆発指数は噴火してすぐわかる?→わかりません。トンガの噴火も、直後は「5〜6」の見立てでした。
次に、日本の火山噴火の規模ランキングと火山爆発指数7以上の火山です。
日本の火山噴火の規模ランキング(有史以降)は、指数5が一番大きなクラス。1位は1739年の樽前山で、上位4つは北海道の火山です。
富士山の火山爆発指数は?→宝永噴火は5。マグマの量では貞観噴火のほうが多くなっています。
桜島の火山爆発指数は?→大正大噴火は4。灰は仙台まで届きました。
浅間山の火山爆発指数は?→天明噴火は4、天仁噴火は5。指数が4でも、被害はとても大きくなりました。
火山爆発指数7以上の日本の火山は?→摩周・十和田・阿蘇・姶良など11の火山と、鬼界カルデラ。一番新しいのは7,300年前の鬼界カルデラです。
火山爆発指数8の噴火は?→一番新しいのは22,600年前のニュージーランドのタウポです。
次に大きな噴火のニュースを見たときは、「指数」か「レベル」かをまず確かめてみてくださいね。


