最近、SNSでよく話題になっている「インプ稼ぎ」という現象について、みなさんは聞いたことがありますか?この現象は、特定のSNSの広告収益分配プログラムが関係しています。このプログラムでは、多くの人が見ることで、その投稿者がお金をもらえる仕組みなんです。
でも、このシステムのせいで、問題が起こっているんです。なぜかというと、投稿者がより多くの人に見てもらおうとして、質の低い内容や、本当ではない情報を広めてしまうことがあるからです。特に、災害の時など重要な情報が必要な時に、このような誤った情報が広がると、大変なことになってしまいますよね。
この記事では、「インプ稼ぎ」の背景や、どんな仕組みで成り立っているのか、そしてそれがどのような問題を引き起こす可能性があるのかについて、詳しく見ていきます。そして、どうやってこの問題に対処すればいいのかも考えてみましょう。
インプ稼ぎとは なぜ起きる?
「インプ稼ぎ」というのは、X社の広告収益分配プログラムへの参加要件を得るために なりふりかまわずに迷惑なことをしてでもインプレッションを稼ごうとする行為です。
インプ稼ぎはX社の広告収益分配プログラムが始まってからよく見られるようになりました。
広告収益分配プログラムとは
X社が始めた「広告収益分配プログラム」とは、ある条件を満たせば、投稿者にお金が分配されるんです。
その条件とは、X Premium(旧Twitter Blue)に加入していることが前提で、
「フォロワー数が500人以上」と
「3ヶ月以内のインプレッション数が500万件以上」の2つの基準を満たす
こと。
500万件ってけっこうきついですね。
でもなんとかしてこれを稼げば、収益化プログラムに参加できるのです。
常識的には、それだけのインプレッションを稼ぐためにクリエイティブなコンテンツを作ろうと努力することを推奨しているように見えますね。
実際、そのような意図でつくられたシステムだったはずです。
ところが、実際には「量」を重視する傾向がある以上、たくさんの人に見てもらうために質が低い内容や誤解を招きやすい内容のコンテンツが増える可能性のあるシステムなんですね。
こうして、ある一定の人達が、なんとかしてこのインプレッションを稼ごうと躍起になっているわけです。
インプ稼ぎとは具体的にはどんなこと?
具体的には、収益化の条件をクリアするためにスパムのようなリプライを飛ばすことが多いです。
インフルエンサーの投稿や「おすすめ」に表示された投稿は、たくさんの人がみますよね。元々インプレッションが多い投稿をします。
それに乗っかって、「😳」とか「👀」みたいな絵文字だけのリプライが大量にぶら下がっているの、見たことがありませんか?
また、関係ないのに、トレンドに上がっているハッシュタグなどをずらっと並べているだけの投稿など。
こういう投稿を「インプ稼ぎ」というんです。
インプレゾンビの特徴と問題点
「インプレゾンビ」という言葉も生まれました。
これは、フォロワーが多いアカウントや人気の投稿に、意味のない返信や絵文字だけのコメントを繰り返すbotアカウントのことです。自動化プログラムされたBotのことなんですね。
インプ稼ぎにしてもインプレゾンビにしても、問題点は、SNSが本来持つ情報交換やコミュニケーションの役割を妨げること。
これらbotアカウントによる無意味な返信が増えると、本当に役立つ情報が見えにくくなったり、ユーザーが混乱したりします。
特に大きな災害や事件があったときには、正確で速い情報共有が大切ですが、インプレゾンビによる無関係な投稿がその邪魔をすることもあるんです。
インプ稼ぎが災害時に混乱を与えていた
災害時にSNSで正確な情報を共有することは、とても重要ですよね。
でも、これらのインプ稼ぎやインプレゾンビの活動があると、フェイク情報や誤解を招くような情報があふれてしまうリスクが高まります。これは災害報道において、情報の正確さや迅速さに大きな影響を与える問題なんです。
能登半島地震が起きた時、関連する投稿の中には偽の情報や古い映像が新しいものとして広まってしまいましたよね。
こうした誤った情報が広がると、人々を不安にさせたり、実際の救助活動や災害対策の意思決定に悪影響を与える可能性があります。
また、緊急時に公式な発表や信頼できる情報源の信用を損なう原因にもなりますし。
その結果、必要な情報が被災者や関係者に届かなかったり、間違った行動を引き起こすリスクが高まるわけですね。
このように、インプ稼ぎのために広まる虚偽情報が、人々の安全や救助活動の効率を脅かすことは、SNSユーザーだけでなく、プラットフォームの運営者にとっても対応すべき重要な課題だと思いませんか?
利益を得るために、質の低い内容が増えてしまうことは、特に災害時には偽の情報が広がってしまい、本当の情報が伝わりにくくなる大きな問題です。
まとめ
この記事では、「インプ稼ぎ」という現象と、それに伴う問題点について深く掘り下げてみましたね。SNSプラットフォームで始まった広告収益分配プログラムは、一部のユーザーに閲覧数を追求させていますが、その結果、質が低いコンテンツやフェイク情報が広まるリスクも生じています。
特に災害のような緊急時には、正確で速い情報共有がとても重要ですが、インプ稼ぎからくる偽の情報の拡散は、その障害になっています。また、インプレゾンビと呼ばれるbotアカウントによる無意味な返信も、有益な情報交換を邪魔しています。
この問題に対処するためには、私たちSNSユーザー自身が、情報の真偽をしっかりと見極めることが大切です。また、プラットフォームの運営者も、健全なコミュニケーション環境を維持し、フェイク情報の拡散を防ぐための対策をしっかりと行う必要があります。
「インプ稼ぎ」の背景にある問題をきちんと理解し、適切に対応することで、SNSはより健全で価値のあるコミュニケーションツールとしての役割を果たし続けることができるでしょう。