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吉野彰博士は,なぜリチウムイオン電池でノーベル賞をもらえたのか

-2科学

吉野彰博士のノーベル化学賞受賞おめでとうございます。

 

さて,この記事では,吉野博士がリチウムイオン電池で受賞できた理由について調べてみました。

受賞理由は,「リチウムイオン電池の開発」

吉野博士の受賞理由は 授賞理由は「リチウムイオン電池の開発」です。

リチウムイオン電池は,現代の情報化社会での生活になくてはならないものになっています。

軽量で高出力,繰り返し使えるバッテリーであり,スマホやノートパソコンに広く使われています。

近年では電気自動車への需要も増しています。

リチウムイオン電池の開発と成功が,現代の生活に及ぼした影響は計り知れません。

それが,今回ストックホルムに認められたわけです。

  

しかし,受賞したのは吉野博士一人ではありません。

米テキサス大オースティン校のジョン・グッドイナフ教授と,米ニューヨーク州立大ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム卓越教授の2氏との同時受賞です。

この3名が,リチウムイオン電池を生み出したことに対して受賞したわけです。

これは,どういうわけでしょうか?

 

まず,ウィッテンガム教授が70年代に,金属リチウムを電極に使った電池を開発します。

ついで, グッドイナフ氏がコバルト酸リチウムのプラス極を発案します。

吉野博士は, マイナス極の方を開発して,リチウムイオン電池を完成させたわけです。

それは, 白川英樹筑波大名誉教授(ノーベル化学賞受賞者)が発見した電導性プラスチックのポリアセチレンを材料に使うことです。

その後,平成3年にソニーがこの技術を使って,世界で初めてリチウムイオン電池を商品化しました。

リチウムイオン電池の何がすごいのか

リチウムイオン電池の開発が情報化社会の発展に大きく寄与したと言われていますが,いったいどれほどのものなのでしょうか。

繰り返し充電できる電池の性能を高めた

繰り返し充電できる電池はそれ以前からありました。

ニッケルカドミウム(ニッカド)電池です。

リチウムイオン電池は,この性能を飛躍的に高めました。

熱暴走による危険性を劇的に下げ,さらに充放電の回数を高めることができたのでした。

安全と効率。

このことで,携帯やモバイルパソコンが一気に浸透していったのです。

エネルギーを蓄積できる

また,このリチウムイオン電池は, 太陽光や風力で発電したエネルギーを蓄蓄積することもできます。

このことは,石炭や石油などの化石燃料の消費から脱却できることも意味します。

地球温暖化に歯止めをかける技術として高く評価されているわけですね。

毎年のようにノーベル賞受賞者を生んでいる日本

昨年度は,本庶佑氏がノーベル賞を受賞しました。

小野薬品工業は,ノーベル賞受賞の本庶佑教授と共同研究できて「株が上がった」のか

吉乃博士は27人目のノーベル賞受賞者となりました。 

 

このところ毎年のように受賞者がでており,とても嬉しい限りですが,それはいったいなぜでしょうか。

 

吉乃博士はノーベル財団のインタビューに次のように語っています。

「私は基礎研究を長くやってきた。

1981年からリチウム電池の研究を本格的に始め、1985年に作ることができた。

それまで長い研究プロセスがあった。気候変動は非常に大きな人類の問題だと思う。リチウムイオンは電気を蓄えることができるので持続可能な社会にふさわしい思っている」

Scuence Portal

 

「私は基礎研究を長くやってきた。」

これです。

昨年の本庶佑博士も2016年の大隅良典 博士も,みな同じことを言っています。

「基礎研究」

すぐに結果が出るものではないことに,地道に長いこと取り組む。

それがいつしか実を結び大きな発明や発見に結びつく。

かつての日本は,この基礎研究をしっかりやっていたのです。

 

しかしだんだんすぐに結果が出るような研究にしか研究費がおりないような状況になってきているとききます。

つまり,これからは,ノーベル賞を受賞するような発明や発見が生まれないかもしれないんです。

なんに使うか全くわからないようなことをしっかりと研究させてくれる。

そのような環境であって,初めて大きな成果に結びつく研究ができるんですね。

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